今月のピックアップアーティスト 掲載日：2013/03/06
	パリ・ルーヴルでの職人展に初出展（2012年） 毎年恒例となった年末の干支教室。写真はヘビコロール、フランスの古いトリコロールのリボンと土佐紬のコラボレーション。 鶴田　眞利子 coquin coquine bear くまモン「マリヌヌ」 ショッピングページはこちら パリとくまモンと私 熊本県に許可を得て作っているくまモン「マリヌヌ」(2012年) ブランド名の意味・由来について教えて下さい。 屋号は、フランス語でcoquin coquine bear。「いたずらっ子」という意味。コキャン・コキンヌと発音（略してココベア）します。他にも、coco animaux（ココアニモー）、marie nounours（マリヌヌ）、 maricoron（マリコロン）、作品によって使い分けています。 ベアを作り始めたきっかけは？ 喜ぶ顔は創作の母。私のベアを手にしたある少女の笑顔が忘れられなくて、1995年から本格的にベアを作り始めました。女の子は7歳という幼さで亡くなってしまいましたが、その女の子の存在は、これからも私の初心です。 初めて作ったベアはいつごろでどんな作品でしたか？ 1994年、娘が着れなくなったべア柄のブラウスで、クッキーマンのようなシンプルなべアを作りました。その後も、いろんな布で作っていたところ、あるお花屋さんの目に止まり、お店で販売していただけることに。同じ作品はない、オンリーワンということで、お一人で10体買っていかれた方もいたそうです。 作り始めて何年、何体ぐらいになりますか？ 18年になります。1,900体〜2,000体と思われます。 パリ3区の靴職人Tamano Parisとコラボレーション。マリコロンとパリの街角動物オブジェの写真パネルの展示と販売。�@ パリ3区の靴職人Tamano Parisとコラボレーション。マリコロンとパリの街角動物オブジェの写真パネルの展示と販売。�A コンテスト受賞暦はありますか？ 受賞暦や受賞作品をご紹介下さい。 2002年、ドイツのテディベアトータルのコンテストで、ミニベアとアニマルが、Wノミネートされました(日本人初)。作品のテーマは、どちらも、家族愛。ミニベア は「いないいないバー」をして遊ぶ親子、アニマルはオランウータンを作りました。オランウータンは、偶然にも開催地のシンボルだったようで、たくさんのドイツ人にお褒めの言葉をいただき嬉しかったです。 テディベア教室は開講されていますか？ 2003年から、日本とパリで不定期に手作り教室を開講しています。 年末の干支教室は恒例になっています。 作品に対する思いやこだわり、創作のモットーを教えて下さい。 作品は全て１点もの、定番がないのが定番です。素材（いいなと思うものにフランスのアンティークが多い）との一期一会を大切にし、いろんなタイプの作品をつくっています。また、デビュー以来、素材の一部に土佐つむぎを使用しています。つむぎと言っても、土佐つむぎは綿、付き合う程に深い味わいが感じられるところが気に入っています。ただ、土佐紬は、数年前、最後の染工場が閉鎖となり、今では"幻の紬"と言われています。私も、残り少ない手持ちの土佐紬を、大切に使っていきたいと思っています。 制作するときにデザイン画などは書きますか？ イメージはどんな感じで浮かんできますか？ デザイン画を描く前に、手が動いている感じです。型紙を使わず、フリーハンドで布に輪郭を描いていきます。私は、この仕事がとても好きで、いつも、作品のことばかり考えています。 どんな環境でベア作りをされていますか？ 音楽を聴いたりしますか？ 好きなものに囲まれて作品をつくっています。アトリエのノートパソコンで、フランス語会話のCDや映画、インターネットでフランスのテレビやラジオを聴きながら、制作しています。 いままでの作品の中で一番のお気に入りは？ たくさんありますが、、 その中のひとつで、今や私物として旅のお伴になってくれているゲンズブールくんがいます。私の写真集「le coin des nounours」の表紙にも登場しています。ゲンズブールくんは、2003年に同じ型紙で3体つくった内の、売れ残ったベアでした。「作品は、ちゃんと理由があって出合いを待っている、居るべきところに居る」、と思うようになった、初心を思い出させてくれる大切な旅友です。 キリンとゲンズブールくん。パリ・ヴァンセンヌの動物園にて。（2005年） ゲンズブールくんと初のフランス一人旅でディジョンへ（2005年） 好きな作家さんや目標、憧れの作家さんはいらっしゃいますか？ オランダのアンナ・コエツさんのベアが大好きです。 作品もコレクションしています。 ベア以外で現在、熱中していることはありますか？ 趣味・コレクションなど （自称）パリの街角動物オブジェ撮影調査研究家です。現在、パリの街を歩いて歩いて、街角動物オブジェを撮影研究中です。それが高じて、2010年7月14日、熊本日仏協会のパリ祭にて、講演をさせていただきました。 また、 2012年には、フランス語とフランス語圏文化に関する月刊誌 『ふらんす』（日本で一番一番古い教育雑誌）の巻頭のページに、エッセイを執筆し（「フランスと私」について」）、好評を得ました。趣味は、着物でパリを 歩くこと。息子が上方舞吉村流の師範代にて、着物は身近な存在になっています。これからも、小さな異文化交流、続けていきたいと思います。 好きな動物はいますか？どんなところが好きですか？ （ペット以外でも） 昔、リスを飼っていましたが、リスに限らず、動物たちの自然な毛並み、毛の色、斑の柄に、憧れます。 ご自身の性格について、長所は？短所は？ いつもポジティブ、でも、集中すると周りが見えなくなります。夫から「大胆不敵」と言われています。「遅すぎることはない。ロスタイムまで頑張ろう」「大丈夫、大丈夫」が口癖。 お誕生日・血液型・星座・家族構成などは？ 1962年1月5日熊本県生まれ。山羊座O型。東京在住です。小さい時から観たり聴いたり描いたり 創ったりが好きでした。専攻は美学美術史。学芸員の資格をとるも、卒業後は地元の放送局でキャスターを3年半勤めました。このマスコミでの経験と大家族の存在が、私のモノ作りの原動力です。 出身地はどちらですか？現在のお住まいは？（都道府県のみ）特産品や名産品、 近くの美味しい食べ物屋さんやおすすめスポットなどございましたらご紹介下さい。 今や熊本の顔「くまモン」、私も、熊本県の許可を得、『熊本のクマちゃん、マリヌヌ○号』という名称で、くまモンを作っています。リッティベアさんでも販売していますので、 是非、お側に置いてあげて下さい。また、熊本に里帰りして必ず食べるものは、蜂楽（ほうらく）饅頭の白あん、スイス洋菓子店のサバラン、です。 東京銀座のアンテナショップでは、アベックラーメン、タイピエン（春雨のラーメン）、辛子蓮根、南関あげ、東肥（とうひ）の赤酒（みりんとしてお料理に使う）などを買います。同じく銀座の馬刺し屋「こじま屋」もオススメで、〆の馬汁は、絶品です!! ※銀座熊本館　http://www.kumamotokan.or.jp/ 　銀座「こじま屋」　http://r.gnavi.co.jp/g622300/ 英国メリーソート社の チーキー・パンキーとコラボレーション（2012年） ディズニーと 夢のコラボレーション（2008年） 今後の活動やベアに出会える場所を教えて下さい。 作品は、国内では、リッティベアさんを始め、数ヶ所の ショップで販売しています。海外では、2009年秋、パリ3区の靴屋tamano parisとコラボレーションし、マリコロン人形とパリの動物オブジェのパネルを展示販売する作品展を開催し、作品は完売、好評を得ました。2012年には、イル・ド・フランス地域圏手工業者・職人組合が主催する「カルーゼル技術工芸・創作見本市2012」（ル・カルーゼル・デュ・ルーヴルにて開催）に初出展、動物が大好評で、次に繋がる出会いもたくさんありました。何より、このルーヴルの職人展は、フランス在住者でないと出展できないところ、気持ちが通じたのか（出展するにあたりフランスへの思いをフランス語で書いて提出しました）、異例の出展を果たすことができました。 ※詳細は、ホームページやブログ等で随時ご紹介しています。http://www.marikobear.com あなたにとってテディベアとは？ 「忘れかけていた大切な何か」を、思い出させてくれる存在。 ２月のアーティスト　佐藤かおりさんからの質問です。 「独創的な作品を作られますが、大体一体につきどれ位の時間をかけられますか？」 3日だったり1週間だったり、1ヶ月だったり、それぞれに違うので、一概にはお答え出来ませんが、とにかく、作ることが大好きで、一日中、作っていられる感じです。作らないと逆に肩がこります（気のせいだと思いますが笑）。 マカロンをイメージして作った アニモーマカロン。 パリの蚤の市で フランスの古い人形の目と出合う。 英国製の古いガラガラをリメイク。 飾りは全てフランスの古いものを使用（2012年） 土佐紬ベア（2012年） 鶴田　眞利子さんは作家歴１８年のベテラン作家です。「定番がないのが定番」とご本人が言うだけのことあって、唯一無二、オンリーワンの作品です。素材にはフランスのアンティークを使ってらっしゃるので深い味わいと趣があり、デザインは独創的でカッコ良くて粋で、そしてファッション性も非常に高いと思います。只今、当店に作品がございますので是非ご覧になって下さい。
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